Twitterに料理写真を投稿したら、こんな質問をいただいた。
ふむ、今みたいに料理おじさんになった理由も含め、くわしく書いてみたいと思った。
予兆
小学生や中学生のときは、国数英理社の5教科ではなく、音楽、技術・家庭科、美術とかのいわゆる副教科が好きな子どもでした(ただし体育は嫌いだし苦手だった)。
家庭科の調理実習のときに、卵焼きを作ることになり、溶き卵に塩や砂糖やら入れるでしょ。塩の分量を思いっきり間違えて、体に悪いぐらいしょっぱい卵焼きが出来上がった。そんなこんなの過程が楽しかったのを覚えています。
萌芽
高校生になり、貧乏な家だったので、自分の金は自分で稼がなくちゃとなりまして。
で、そのときに、包丁の使い方とか、加熱の仕方とか、そういう「料理以前の台所スキル」みたいなのをいろいろ学んだ。
土日の昼間のシフトに入ると、仕込みの業務でパートの主婦の方が働いていらっしゃって。包丁のスキルがものすごいのね。野菜とか肉とかヤバいスピードで仕込んでるの。それを見てすげぇなー自分もできるようにりてえなーと思ったのを覚えている。まぁ、その人みたいにはいまだになれていませんが。
ただ、そのときは家で料理をすることはありませんでした。「料理は母親がするもの」と思い込んでいましたし、父親もまた料理や家事は女の仕事だと思い込んでいるような人でした。「でした」って今も健在なんだけど。
料理をはじめたきっかけ
大学生になってからしばらくは地元から電車で2時間かけて通学していたのですが、だんだんしんどくなってきまして、バイト代をはたいて頭金を支払い、一人暮らしをすることに。
家賃は親に出してもらうことになったものの、仕送りなどはもらっていなかったので、ボンビーひとり暮らし。焼肉屋さんの厨房で習った台所スキルを活かして、自炊生活を始めました。
味付けだとか食材の組み合わせとかそいういう感覚は全然身についていなかったので、いろいろ失敗しながら自炊していました。具のないしょっぺぇパスタとか、ゲ○みたいな豆腐ハンバーグ作ってたな。
おしゃれ料理部
所属していたサークルのスピンオフ活動みたいなので、一人暮らしの友人たち4人ぐらいで活動してた「おしゃれ料理部」に顔を出していた時期がありました。
そのメンバーの1人、K君が見事な煮物を作っていて、「まー和食って適当に調味料入れたらできるから簡単なんよね」と言ってたのがなんとも印象深かったな。いや、それ俺も言えるようになりてー!!と。K君元気かな。
タモリさんのカレー
で、おしゃれ料理部は1年足らずで活動を終了したし、私は食べ専で顔を出していただけで料理スキルは上がらなかったんですけど、いろいろ感化されるところがあって。
ちょうどその頃だったかな、テレビだかネットの記事だかで、タモリさんが作るカレーはうまい、というのを知りまして。シンプルなチキンカレーで、引き算の味付けだとか、どうとかで。
そのとき「自分のレシピ」みたいなのを持ってるのってすごいかっこいいなと思って、なんかいろいろこだわって料理をするようになりました。
コチュジャンと生姜が決め手の豚汁とか、カレーとか、豆腐を片栗粉つけて揚げて塩で食べるのが一番美味いとか、そういうのはその頃に身に着けました。
学生生活が長引き、こじれる中で
貧乏ながらに人生のらりくらり生きている私ですが、同学年のみんなが就活にいそしむ中、就活もせず音楽ばっかりやってまして、で気づいたら大学院に進学してました。
男4人のシェアハウス
その頃は一人暮らしではなく、同じサークルの友人や後輩と4人でシェアハウス暮らしをしていました。まぁプライバシーもへったくれもないですが、金がなかったので仕方ない。
シェアハウスの家事の押し付けといったら、そのときの後輩にはマジで悪いことをしたなと思います。私はまぁまぁな料理スキルは身についていたんですが、料理はするものの皿洗いしない、みたいなゴミクソでして。
台所の片づけをほったらかして自分の部屋に籠ってバイト(在宅プログラミング)なんかをしてたんだけど、壁の向こうから後輩が「ちっ」と舌打ちする音がはっきり聞こえてきました。即すごい謝ったな。
社会人になってから
社会人になってから1年ぐらいは再び一人暮らしを始めまして。
もともと片づけられない人間の私は部屋が機能不全に陥り、また、配属された部署が月70時間ぐらい残業するような忙しいところで、ワークライフバランスが成り立たなくなりました。あまり料理をしないどころか、肥溜めみたいな部屋で暮らしていました。思い出したくもねぇ。
彼女と同棲を始めてから
で、いろいろ変わってきたのは彼女(現在の妻)と同棲を始めてからでして。妻は声を荒げて怒るような人ではないんだけど、ハッキリものを言うタイプの人で、いろいろ怒られながら生活が成り立つようになってきました。家事の分担のこととか、なんかいろいろ。しっかりしてんなあ。感謝。
まぁそういうわけでだんだん2人暮らしのモラルを身に着けていきました。皿洗いが終わるまでが料理である、みたいな。
健康志向の高まり
20代の終わりごろなんですけど、なんかめちゃくちゃ風邪ひいたり頭痛くなったり精神的に参ったりすることが多くなりまして。
こりゃいかんなと、外食も減らしてちゃんと自炊するようになり、早寝早起きをしたり、部屋を整頓したり運動したりするようになってきました。
生活をスリムにする知恵なんかを積極的に取り入れるようにもなり、料理本を漁ったり、手間や時間をかけずにいかにも「家庭料理っぽい」ごはんを作ったりするようになりました。
ブログやTwitterを始めてから
30歳も過ぎて、2019年の終わりごろから急にこのブログやTwitterを始めて、料理の写真やレシピを投稿したりするようになりまして。そうすると、フォロワーの方々がいろいろ言ってくれるんよね、美味しそうとか。
そうするとまぁ承認欲求みたいなものが刺激されて、もっと美味しい料理をつくろうだの、いろいろ思うようにもなるわけで。おじさんはこれからもいいねを欲しがり続けるさ、いつまでもな。
あとさ、Twitterでつながってる人のその辺の感じとかも気になったり、それに感化されたりすることもあるのよね。
例えばtdk氏だと家事について「とっても好き。手軽に達成感を得られる最高の趣味」って書いてたりすんのね。すげぇいいなぁと。確かにそうだ。
で、あえて私が料理について思いを述べるとするなら、それは「仕事モードから家庭モードに切り替えるのにちょうどいい作業」だなって思ってます。頭カラッポで作業できるし、出来上がったら美味いごはんというご褒美がある。
近頃とこれから
最近さ、小麦粉とお友達になれそうなのよね。麺打ったりピザやパンを作ったり、クッキー焼いてみたり。楽しいのよねぇ。
さらっとお菓子を作れるような人間にもなりたいなと思ってね。NHKの「グレーテルのかまど」なんかを観てると、お母さんが作ってくれたお菓子の物語とか、いいなと思うのよ。そのうち父親にでもなったら、父親の味みたいなもんを伝えたいなーなんて思ってます。
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誰が興味あんねん!みたいな話ですが、つらつらと書いてみました。まぁその、これからもどうぞよろしくお願いいたします。