我が家にレコードプレーヤー(audio-technica AT-LP60X)がやってきた。わーいわーい。
なおこの記事の前半はレコードのある暮らしそのものの感想。とにかくレビューを見たいんだ!という方は、目次から「オーディオテクニカのレコードプレーヤー『AT-LP60X』レビュー」に飛んでいただければ。
参考までに、筆者の音楽レベル:
- 大学生のときからバンドをやっている。高校のときからギター弾いてる。歌う。
- 好きなジャンルはしっちゃかめっちゃか。AppleMusicのFavoriteMixはいつも意味不明。
- 感覚派ではあるものの、普段からスタジオでアンプをいじってるので、音そのものには割と詳しい。
ではでは、参りましょう!
レコードのある暮らし、楽しいぞ
レコードのある暮らしはとっても良いなと思う。
サブスクだハイレゾだの時代に、レコード。何がいいのかしら。
インテリアにカオス感が生まれるぞ
レコードプレーヤーはピザ箱みたいにデカい。
さまざまなモノの機能集約化・小型化が進んだり、ミニマリズムが流行ったりする中で、古くて大きいものがでーんと部屋に存在するとカオス感が生まれる。それがいい。
気に入ったデザインのものがあれば壁に飾ってもよし。よくわからない絵を買うぐらいなら、可愛いレコードのジャケットを飾るのもアリだと思う。
見て見て、このおしゃれな壁をよ、、、ウチの壁。
お宝探し、楽しいぞ
プレーヤーを買うにあたって、ディスクを探しにディスクユニオンへ行った。
レコードのコーナーでは、陳列棚に大量の中古ディスクが所狭しと収納されている。
こんな感じの棚が店内ぎっしり。
多くのお客さんが、ジャンルや年代、アルファベット順などで区分されたインデックスを頼りに次々とジャケットを繰り、お宝探しに熱中している。
客層は若者から壮年まで様々な年代。でもやはりおっさんが多いかな。たまに女性もいる。そんな感じ。
「お宝」は人それぞれだぞ
希少価値ってものに囚われがちだけど、自分がお宝だと思ったらそれがお宝だと思う。
私はといえば、初めてディスクユニオンの店舗に入ったときは、玄人感たっぷりの客がたくさんいる様を目の当たりにし、少しビビった。
でも先客たちの真似をし棚のディスクを左上から右下まで繰っていくと、
うわ、、、実はコレ前から欲しかったやつやん、、、
うわ、、、めっちゃジャケットかわいいやんけ、、
ってな具合に、いろんなお宝が出てくる。それでいいじゃん。
生音に近い、立体感のある音が自分の部屋で聴けるぞ
レコードの音を実際に聴いてみた感想ですが、CD等と比べてみると生音に近い、立体感のある音がする。
デジタルとアナログの差、というわけではない
レコードはアナログ(連続的)に音を記録したもの。CDやmp3などデジタル音源のようにサンプリングや量子化といったプロセスがないので、理論上は生音源にかなり近い音を記録・再生できる。
しかしこれ、素人耳にデジタルとアナログの音の違いが分かるかと言われれば怪しい話で。だいいち、塩ビを針でこすっただけの音がそんないい音するとは思えない。
でも実際、レコードは良い音に聴こえる。デジタル音源と比べて。
いい音って言ってもいろいろだが、立体感や生音感のある音が聴こえると言える。
レコードが生音っぽく聴こえる主な理由
レコードが生音っぽく聴こえる要因としては、レコーディングの仕上げ方の違いによるダイナミクス(音量の大小の幅)の差、というのが大きいと思われる。
どういうことかというと…
CDなどデジタル音源はヘッドホンやイヤホンなどで聴くこと視野に入れ、仕上げとして音に強めのコンプレッション(圧縮)をかけている。
これすなわち、小さい音も大きく、大きい音も大きく、全ての音のボリュームが均質に潰れるということである。全体的に均質に大音量にする代わりに、ダイナミクスを殺しているらしい。
それに比べ、アナログレコードはマスタリング時に強いコンプレッションをかけることがあまりない。なので、小さい音は小さく、大きい音は大きく聴こえる。
針飛びの原因になる等の物理的制約により、強いコンプをかけて大音量にするのは主流になれなかったらしい。以下の記事が参考になる。
このため、レコードは音に立体感が生まれる。まるで、そこで楽器を弾いているような、そんな感じの立体感。
まぁそういうわけで、生音っぽくて立体感のある音が鳴る。
蘊蓄はこのへんにしておこう。
オーディオテクニカのレコードプレーヤー「AT-LP60X」レビュー
audio-technica(オーディオテクニカ)のAT-LP60X RD(レッド)を買った。
カラーはダークガンメタリック(DGM)とレッド(RD)の2色展開。
Blutoothを搭載したモデルもある。型番の末尾にBTがついています。Bluetoothの分だけ少し値段が高くなっている。
見た目とか、ざっくりした仕様とか
フルオート再生。本体のボタンを押すだけでトーンアームが動き、開始位置に針を落としてくれる。再生が終わると元の位置に戻してくれる。初心者には大変ありがたい。
使用前の準備、使い方
最初にやることはこれだけ。
- 本体の蓋を開けてターンテーブルを設置する。
- 動力をテーブルに伝えるベルトを引っ掛ける。
- 本体後ろから電源ケーブルを電源に、音声出力ケーブルをスピーカーにつなぐ。
で、ディスクをセットしてからどうするかというと、
- ディスクに合わせてサイズ(7 or 12inch)、回転スピード(33 or 45rpm)を設定します。
- ディスクをテーブルに設置してスタートボタンを押せば、片面の最後まで聴けます。
↓再生するときはこんな感じ。
↓また、停止するときはSTOPボタンを押す。
まぁ簡単。ちなみに、フルオートの機能を使わず、針を盤面の任意の位置に落として再生、というのももちろん可能。
使った感想
私にとって初めてのレコードプレーヤーなので、他製品との比較ができないのが残念ではあるが。
音はいい。先述のとおりですが、CDやmp3とは少し違う空気の振動を感じる。
ダイナミクスの違いから、CDと比べて細かい音の強弱、ニュアンスが感じられる。タンバリンのシャンシャン鳴る音なんて、そこでタンバリンを鳴らしているかのように感じられる。
詳しい人が「レコードのほうが音が繊細で…」などとのたまう理由が少し分かる。
あと、使い方が簡単。ボタン押すだけ。
満足度の高い買い物をしたなと思っている。
その他の雑感
他に購入を検討していたプレーヤーで、ディスクをセットしたら、本体の辺からはみ出す仕様のものがあった。
これは、ディスク再生時にはフタを開けたまま使うタイプのもの。
可愛くていいなとと思う一方、あることが気になり店員に尋ねた。
筆者「あの、これ、レコード再生してるときにフタ閉じちゃうと、どうなります?」
店員「ああ、フタ閉じちゃうとディスクがぶっ壊れますね。」
いや恐ろしいで。絶対にやっちゃうもんな、俺ドジだもん。
その点、AT-LP60Xはフタを閉じて使用するので、安心といえば安心。
買ったディスク
ディスクユニオンにて、以下の5枚をまずゲット。
- Wes Montgomery – Incredible Jazz Guitar
- Bill Evans With Jeremy Steig – What’s New
- よしだたくろう – 人間なんて
- 沢田研二 – 時の過ぎゆくままに
- 大瀧詠一 – A LONG VACATION
いい買い物をした。
それぞれのディスクの感想はそのうち、気が向いたら記事にする。
いいこと言ってまとめるぞ
無駄なものこそ人生を豊かにする、という考え方がある。
生活のせいか歳のせいか、放っておけば心や感性がどんどん凝り固まっていきそうな、そんな感覚を抱くことがある。
余暇の時間ぐらいは、凝り固まりかけた心をいろんな角度から突っついてほぐしてやることが楽しく生きるためにはとっても大切なんじゃないかなと思っている。
そのために、面倒なことをやるのはとても良いことだ。
レコードは今や面倒で、無駄が多い。両面を聴きたければ針を退けて盤面をひっくり返さなきゃいけないし、ディスクがでかくてかさばる。劣化もするし。サブスクの時代にレコードて、とも思うし。
でも、面倒くさいモノだからこそ、人生に彩りを加えてくれるような感じもする。早朝、ひとりでコーヒーを飲みながら、レコードをセットしたり、針を落としたりと面倒なことをしているとき、なんというか、暮らしに余裕を感じるというか。
そんな感じがあってね、とってもいいなと思う。