妻と子供が産院から退院し、家に帰ってきてしまうと想像を絶するほどバタバタする。なので妻の産後入院中に休みが取れたなら是非やっておくといい(やっておいてよかった)ことについて記載したいと思います。5日なんてあっちゅう間でした。
なおこの記事は0ヶ月新生児の育児中にちまちまと書き始め、現在、 無事に1ヶ月を迎えられたところでまとめ上げて公開しています。育児の方法や父親のあり方として正しいかどうかはさておき、自分が通った道や感じたことについてはリアルな温度感で書けているかと思います。
出生届、育休取得申請、その他の申請
できれば生まれた子の名前をさっさと決めてしまって、役所に届け出してしまうのが楽かと思います。
役所での届出はとにかく待たされます。平気でウン時間待つことになる。また、職場における育休申請は必要書類などが非常に分かりにくかったりします。これらを赤ちゃんが家に帰ってきてからやろうとするとかなり負担になるわけです。
私は産後入院中のうち1日を使って各種の届出や申請をほとんど終わらせたのですが、そのノウハウについては、次の記事に掲載しているので参照いただければ。
とまぁ、これだけで丸1日潰れます。
ベビー衣類の水通し
ベビー服やおくるみ、ベビーベッドのシーツなどは、製品を新品で買った状態で買った状態では糊やホルムアルデヒドなどの化学物質が付着しておりそれが赤ちゃんの体に良くないとされています。※今日びもホンマにそうなんやろか。
そこで、赤ちゃんの服を一度着る前に全部洗濯してしまおうというのが「水通し」。その名の通り洗剤を使わずに洗濯機にぶち込んで回して干せばいいだけなのだが、アラウベビーなど赤ちゃん用洗濯せっけんを使っていいとか流派もいろいろ。好きな手法でやると多分いいです。
一般的に妻は妊娠後期に産後に備えて入院バッグを用意しており、バッグの中の分すなわち入院中に必要な衣類はすでに水通ししてある状態で入っているものとは思うが、退院後の分(ベッドのシーツなど)まではやってない!というパターンもあるかと思われます。夫婦で済/未済を確認のうえ、やってないのがあればやっておくべしです。
新生児育児の事前学習(育児本、ブログ、動画など)
まずは実物に触れるということで、妻の産後入院中に授乳のタイミングなどを見計らって面会に行くといいです。ミルクの作り方や飲ませ方、ゲップのさせ方について安全な状況でチュートリアルさせてもらいましょう。
一方でそれをやったとしても全体のうちの一部に過ぎず自分の現在地がわからないことによる漫然とした不安が募ること請け合いです。そこで役に立つのが育児本、先人たちのブログ、YouTube動画などです。これらを参考に先の見通しを立てておくといいです。
育児の全体像、概論については、育児書や先人たちのブログなどで掴んでおき、授乳や沐浴など各論については動画などで学ぶといいです。
全体像・概論
育児本については多分なんでもいいと思います。本によって言ってることがマチマチだから。なんにせよ3歳ぐらいまでの育児について体系的に説明されてあるものを1冊用意しておくといいです。「大体何ヶ月でどんなことができるようになるのか」などが分かると育児が始まって忙しい中でも将来が少し明るく感じられるかも。
私は辞書的に使えればと思って育児本を1冊購入しておいたけど、現在までのところは「先の見通しを得てマインドを健康に保つためのおまじない」として機能しています。
父親の立場における育児の全体像について学ぶには、下記のブログが大変有用。
いわば「新生児育児概論」で、全体像と各論の取っ掛かりについて作業フローなどがしっかりと掘り下げて書かれています。個人的には、漫然と不安だらけの育児について「あぁこんなにタスク消化的・事務的にやってもいいんだ」と、育児を業務っぽく捉えることができたので大変良かったです。
各論
授乳や沐浴、おむつ替えといった各論について具体的な手順を学ぶには、YouTubeが便利。それぞれ、
- ベビー用品メーカーなどが作成した「基本編」の動画
- ライフハック上手な主婦などの方が作成した「手抜き」「楽々」といった類の動画
についてそれぞれ閲覧して、基本を押さえておきながら手抜きできるポイントを押さえておくといいです。
「手抜き」についてはかなり重要だと思っていて、家事や育児といったものを全て大真面目にやっていたらそれだけで日が暮れてしまうし疲弊してしまいます。最低これでもいいんだね、こういう風に手を抜いてもいいんだねと最初から分かっておくと気楽。
動画を観ながら実際に手を素振りしてイメトレするとかなり役に立ちます。
チャイルドシートの設置と操作方法の学習
新生児の赤ちゃんを家に連れて帰る時に早速チャイルドシートを使うことになります。そのチャイルドシートを買ったまま車に設置していないのであれば、忘れずに設置しておく必要があります。
操作方法・ベルトの調整も忘れずに
設置するとともに忘れてはならないのが操作方法の学習で、チャイルドシートの操作方法は慣れてしまえばどうというものではないのだけど、初見ではかなり難しい。各種ベルトを赤子の体のどこに通すのかとか、肩紐をどう調整するのかとか、いきなりやれと言われても全然できなかったりします。
かく言う私もそのような状況で、操作方法を復習しなきゃと思いつつ忘れたまま妻を産院に迎えに行き、子をいざシートに載せようという時に産院の駐車場で10分ぐらい滝のように冷や汗をかきながら操作する羽目に。愚かである。いやぁ辛かった。
いや、未学習やないんです。前に説明書は読んだ。動画も見た。よし、行けるぞ、のつもりだった。でもなんか学んだ感じと全然ちゃうんです。赤ちゃん乗ると股の下のボタンの位置とか訳わかんなくなるし。ベルトの引っ張り加減とかも、なんか思ってたのと違う!となるんです。言い訳なのですが。
一応、コンビのチャイルドシートにはQRコードが貼ってあって、操作方法の動画を観られるようになっているんだけど、なんか違うのですよ、動画と実物。「PUSHと書いてあるボタンを押します」ってどこにもPUSHとか書いてないの。
マジで焦るので、事前に実際にボタンを押したりベルトを引っ張ったりする実習をすることを強く強くおすすめします。
生活動線づくり
生活動線についてはまず赤ちゃんと24時間どのように過ごすのかということを想定してのレイアウトが大切と思われます。赤ちゃんが家に帰ってきたところから生活が即スタートしてしまうので、産後入院中にあらかた作り切ってしまうといいです。
大まかなレイアウト、 完全休眠スペースと仮眠スペースの分離
可能であれば、
- 完全に赤ちゃんから離れて寝るための部屋
- 赤ちゃんと一緒に待機しながら休むめる部屋
……をそれぞれ用意するのがいいです。正直ずっと赤ちゃんと同じ空間にいると気が狂いそうになるぐらいしんどい時があります。
我が家は出産前から妻と相談のうえ、部屋を分離し、赤ちゃんの世話をシフト制にして、夫婦片方がしっかり休める場所・時間を作りました。こんなレイアウト。
紆余曲折あったけど、現在は上手にシフトを回せています。現在うまく行っているシフトと、そのシフトに落ち着くまでの紆余曲折については、以下の記事にまとめたのでご覧いただければと思います。
また、ベビーモニターが活用できるのであれば死角が減るので便利です。我が家ではSwitchBotの「屋内カメラ」をベビーベッドを俯瞰する角度で設置しておき、死角となるダイニングテーブル〜台所空間からタブレットで閲覧しています。SwitchBotは安いし外出先でも見られるのでかなり便利です。
この室内カメラ、電源のトラブルがあるようなんですが、解決策を見つけたのでついでに別記事にまとめておきました。御覧ください。
もし犬などペットを飼っているとかであれば、さらにどのように居住空間を分かつのかも考えておく必要があります。我が家も犬(すごくかわいい)と暮らしており、色々工夫しています。これについては、下記の通り別記事にまとめたのでご覧ください。
調乳スペースの確保と作業のチェック
完全母乳育児を目指すにしてもミルクを使わないということはないです。退院直後のお母さんは、まだまだ母乳の出が本調子でなく、赤ちゃんもおっぱいに十分に吸うことがができなかったりします。ちょい足し要員であってもミルクはほぼ必ず使うことになるわけです。
新生児の赤ちゃんはお腹が空いていると夜中で早朝であれ喚き散らかします。この喚き散らかす声が、ちょうど親の不安と焦りを煽りHP・MPを削ってくる呪文なんです。なので初めの頃は「夜中に泣き喚く子をよそにミルクを用意する」だけでもどえらい緊張感を伴う作業になります。
そういった緊張感の中でもミルクをスムーズに作れるようにするために、場所の確保はしっかりやっておきたいところです。ミルクの缶や湯沸かしケトルの他、哺乳瓶の除菌装置なんかの置き場についてもしっかり住所を作っておくといいです。やっぱりティファールが1個あると早いし、火を使わないのがいいです。
そして実際にミルクをどこでどんな手順で作るのか、手と体を動かしてシミュレーションしておくといいです。それでも実際本番を迎えてみるとアホみたいにアタフタするんですが、それでもやらんよりは随分マシ。
ミルクの銘柄にも色々あるし、哺乳瓶の除菌方法はミルトンなどの薬液消毒、煮沸、電子レンジによるスチーム消毒など様々あります。我が家では、ミルクの銘柄や哺乳瓶の除菌方法については妻が産院で学ぶ方法を採用することにしていたので、妻からのLINEに従って準備をしました。
赤ちゃんのお世話スペース
赤ちゃんの世話スペースについては、赤ちゃんの寝床から数歩以内で完結できればいいかなという感じ。以下、我が家の場合です。スマソ、写真ではお世話ボックスがベッドの死角になってます。
我が家は犬と赤ちゃんを分離する必要があったので位置のハイ・ローを調整できるベッドを置き、ハイの位置で使っています。世話者の腰への負担を考えてもハイの位置にできるベッドで良かったと思っています。低めのベッドだと腰がやばいかもしれない。
その他、足りないものがあれば入院中の妻から連絡を受け、ホームセンターや西松屋、アカチャンホンポを走り回ります。これでまた丸1日潰れます。
出産後の妻を理解し支える心の準備、出来ない家事の補完など
新生児子育て、ひょっとすると人によっては人生で一番しんどい時期なのかもしれないです。まぁとにかくものすごい精神も体力も削られるので、事前に心の準備をしておくのがいいと思われます。
出産後の妻の状態と置かれる状況について
母となる妻は出産に際して身体に大ダメージを負い、産後には不安や睡眠不足と相まって心にも大ダメージを負います。股の中からでっかいもんが激痛・大出血を伴いながら出てくる。よくぞ無事でいられるなというより、いや、無事ではないな!!となる。大怪我です。体験できない分、せめて立ち会うのがいいと思います。
男性もわざわざ痛みを味わうことは必ずしも合理的ではないし、何も道連れになることないじゃん、と思うかもしれません。しかしこの、出産劇を間近で見たのとそうでないのとでは、その後の寄り添いのレベルが変わってくるように思います。
さて。その身体的な大ダメージを負った状態でさらに産後1ヶ月は慢性的な睡眠不足と不安が続きます。加えてホルモンバランスの変化に伴う精神の不安定さ、母乳の産生や赤ちゃんのおっぱいの吸い方が下手なことによる胸の痛みなど、マイナートラブルが山程あるわけです。
赤ちゃんは3キロぐらいであり数十分間の抱っこであれば大したことないんさけど、そんな短時間で許してくれるはずもなく、連続2時間も抱えると肩や腰がガタガタになってきます。授乳に際しても赤ちゃんと体の姿勢のいい角度を見つけられず肩や腰がバグってきます。
そんな中で追い打ちをかけてくるのは赤子の無邪気な泣き声。赤ちゃんの声は大人の心をぶっ壊す呪文なので、浴び続ける度に心を乱されMPをむしり取られます。「魔の3週目」なる期間があり、その頃になるとわけもなく喚き散らかします。泣くのに理由とか無いんです。ただのパニックです。メダパニとマホトラを乱射してきます。Lv1の我々にはラリホーやマホトーンは使えません。
心がすり減ったとき、普段であればお風呂に入るなり散歩に行くなり趣味に打ち込むなり何らかリフレッシュ方法があります。しかし産後の妻はどうかというと、1ヶ月は子宮口からの細菌感染の恐れがあり風呂も湯船に浸かれず、無理に歩けば子宮がひっくり返って出てきてしまう(驚いてしまうが本当であり、「子宮脱」という。)から散歩もできず、趣味に打ち込めるような体力や精神的余力もない、そんな状況です。ありとあらゆるリフレッシュ方法が制限されています。
私の妻はオットコマエでとても気丈な人間です。シフト交代制育児についても妻の案どおりにやったし、私も妻の産褥期には特に全力で家事育児に取り組んだんですが、それでいてさえ妻の心は、慢性的睡眠不足と疲労のなか、いわゆる魔の3週目の止まぬ嵐のような泣き声にトドメを刺され、一度コテンパンにやられてしまいました。まぁなんせものすごい大変。
自分の機嫌は自分で取り、できない家事をなくすとか、そういう準備
翻って、夫は自分で自分の機嫌を当然取らなきゃいろいろ破綻します。何かを誰かにやってもらわないと機嫌を損ねる人って割といるような気がしますが、新生児期(≒産褥期)の妻には子以外の他人に何かを施す余裕は全くありません。自分で自分の機嫌を取りましょう。
そんな中、例えば家事に関して、妻にしてみれば子の他にもう1人育てなければならない人間ができてしまうといった状況になるのは最悪です。今一度、毎日のルーチンを書き出しておいて、分からないなら素直に確認しておいたほうがいいと思われます。大きな家事から名もなき家事まで、全部自分でできるようにならなきゃいけません。
と、何かの一助になればと思い、マインドマップで毎日の家事を可視化してみました。全体のタスクの量とかイメージは把握できるかもしれないので、何かの参考になるかもしれません。
普通に仕事なら時間なくても頑張って仕様書とか読んで分からんこと調べたり訊いたりしながら一人前にできるようにやると思うのですが、それと同じです。例えば、料理が分からないのであれば、リュウジさんの動画観ればいいじゃん、ということです。そしてそれを今までやってなかった方であれば、この産後入院中が最後の期限みたいなとこあります。
いったん人生の主人公を退いて、家庭のために出来ること全部捧げるってのもいい人生じゃないかと。やりたいことがあれば隙間時間にやればいいし、ある程度子が育って暇ができたら自分の人生を取り戻しゃいいんだからと。それが父親になるってことなんだと、一旦そんな心構えを作ってもいいかもしれないです。
なんか説教臭くなってしまいましたね。すみませんm(_ _)m