我が家の新生児育児シフト(母乳育児/混合栄養育児/犬のいる家)

育休・子育て

新生児〜3ヶ月頃までの育児はどえらいキツい仕事(24時間営業)である。赤ちゃんの睡眠サイクルが未完成なので、3時間おきに寝る・乳飲む・泣き喚くを繰り返す。とくに新生児は可愛いだけの悪魔か妖怪である。

普通に常時2人がかりで育児をすると睡眠不足から体調を壊すか精神を病むかで夫婦共倒れになる。なので昨今の巷のセオリーどおりにシフト交代制を組んで育児するといい。

シフト交代制育児とは、時間帯で寝る人と家事育児をする人とを分けてしまい、育児から完全に離れて睡眠を取る時間を確保するという育児手法である。以下のようなイメージである。部屋も分けた。

我が家で現在うまく行っているシフト交代制育児について紹介したい。特徴としては、

  • 母乳育児を基本とし、ミルクを使うこともあること(混合栄養育児)
  • 飼い犬がいて、1日2回きっちり散歩に行けること

であるので、当てはまるご家庭では参考になるかもしれない。

これに至るまでには紆余曲折があった。目次の「成功シフト1: 24時間育児シフト 完全母乳育児・犬あり版」及び「成功シフト2: 24時間育児シフト 混合栄養育児・犬あり版」が成功例なので、適宜参照されたい。

【2024年2月16日追記】手っ取り早くシフト表を使いたい!作りたい!という人向けに、別ページにてテンプレートを用意したので、こちらをご覧いただければと思う。

というわけで、以降の内容はあくまでこれまでの紆余曲折について記した読み物であると思っていただければ十分である。

成功シフトその2: 24時間育児シフト 混合栄養育児・犬あり版

いきなり「その2」て。いや、いろいろ紆余曲折があったのよ。成功シフトその1を経て2があるわけよ。これについては後述。

シフトについては下表のとおり。表中「ふーちゃん」とは愛犬の愛称である。

  • 夫が宵に、妻が深夜にそれぞれ6時間程度寝られる。
  • 3食のうち2食(朝食、昼食)は夫婦一緒にとることができる。
  • 母乳育児が基本となっており、ミルクに置き換えるのは基本午前3時の1回だけ。
  • ツーオペ時の授乳・散歩・余暇は交代可能である。
  • 犬の散歩・ごはんに1日2回、1時間半ずつ使える。
  • 家事を可能な限り圧縮し余暇を確保している。

細かめに書いてあるが実際は子の授乳のタイミングなどによってズレるので、大まかにはこんな感じと読んでもらえればいい。

実際のところ私は色々ずれて18時に就寝できていないから深夜シフト勤務中の仮眠で取り返しているし、妻もなんやかんや0時半に授乳が終えられないこともあるから午前6時半の授乳後に二度寝するなど、臨機応変に運用している。

これで辛い思いをしていないかと度々妻に確認をとるようにしているが、ノンストレスで上手に回っているとのことである。

これまでの紆余曲折(成功シフトが出来上がるまで)

最初からうまく行っていたわけではない。子が生まれる前からシフト制にしようと話はしていたが、なかなか難しいものである。

妻が夜中ワンオペ、夫が日中午前ワンオペ(生後2週目終わり頃まで)

最初のシフトは、妻が妊娠後期に考案した案による体制であり、概要はこうだ。

時台
1時台-5時台仮眠しながら赤ちゃんの世話別部屋で完全に寝る
6時台-7時台赤ちゃんの世話、朝食犬の散歩、朝食の用意、朝食
8時台-11時台別部屋で完全に寝る赤ちゃんの世話、家事
12時台-22時台赤ちゃんの世話赤ちゃんの世話、犬の散歩
23時台-0時台別部屋で仮眠赤ちゃんの部屋

3食を夫婦で一緒に食べる。仮眠が十分にとれることを前提に、片方の完全睡眠時間を4時間ないし5時間、昼〜夜のツーオペの時間を長くとる。という設計のものだった。犬の散歩の事情もあり、かつ3食一緒に取るとなれば、こんな感じにせざるを得なかった。

明らかにこれは夫(私)ばかりが楽な設計ではないかと思って伝えるも、妻曰く、

  • 深夜帯は仮眠しながらなので楽である。仮眠時間と完全睡眠時間を合わせれば妻のほうが圧倒的に寝ている時間が長い。
  • 夜の母乳は睡眠習慣の形成にいいので、夜の母乳をあげたい。
  • 夫は朝に家事を全部やらなきゃいけないのでトントンだからこれでいい。

とのことだった。夜の母乳にはメラトニンの含有量が多く赤ちゃんの睡眠習慣や精神の成育に良いとかって説があるようだ。確かにそうかもと思い、これで走ってみることにした。

しかし実際やってみると仮眠や完全睡眠がとにかくうまくいかない。赤ちゃんが泣きわめいて全然寝かせてくれない。妻自身も責任感から遠慮してしまい、自分の完全睡眠時間に寝られない(寝ようとしない)。

妻が産院から退院した後10日ほどお義母さんが家に手伝いに来てくれていた。お義母さんは妻につきっきりの体制だったので体力的にはボロボロながらも精神的には支えられていたようで、これで回っていた。

お義母さんが帰った後すぐ、2週目後半にいわゆる「魔の3週目」を迎えてしまった。生まれたての新生児であれば泣き喚く体力もあまりないので、あやせばすぐに寝てしまう。が、「魔の3週目」の頃には多少の体力がついたうえで、慣れない人間界への不安・不快感から何をやっても終わらないギャン泣きを続けるのである。

深夜帯に孤独であることは大変心細い。ギャン泣くばかりで一向にベッドで寝てくれない。ずっと抱いて揺らしてあやしていなければならない。笑ってくれるでもなく甲斐がない。そのような中で赤ちゃんに対して常に大いなる母性を発揮し優しく対応するなんてのは不可能である。

このような中で、妻の仮眠兼ワンオペシフトがものすごく体力的・精神的に負荷の掛かるものとなってしまい、ほどなくして妻がギブアップしてしまった。

妻は真面目な人間であり、おそらくシフト案の言い出しっぺで辛いしんどいと言いづらかったのではなかろうか。また、妻は自分の心身の不調に敏感な方ではない。まずは体力から、そして体力が削がれることにより徐々に精神が参ってしまって、でも平気平気、なんて言いながら、本人も限界ギリギリのところで自覚症状が出たような感じであった。

気づくのが遅くなってしまって大変申し訳なく思っている。強がってはいたものの、顔が死んでいたのでいろいろ聞き出してみるとやっぱり辛かったそうだった。

あまりに削られてしまい、産後うつ手前、ワンオペ恐怖症みたいになってしまっていたので、とにかく一旦、夫婦一緒にいる時間を増やすため、次なる体制に移る。

死なば諸共24時間ツーオペ体制(生後3週目前半)

ポイントは以下のとおり(タイトルまんま)。

  • 赤ちゃんの睡眠に合わせて大人も揃って仮眠をとる。
  • 赤ちゃんが起きているときは、片方が家事をし、片方が赤ちゃんの世話をする。

とにかく、妻の精神の回復を優先したパターンである。24時間、妻と一緒にいることにした。寝るときは赤ちゃんのいる部屋で寝るし、赤ちゃんが起きれば一緒に世話をするか家事をする。

結果は言わずもがな、どえらい睡眠不足により体力的に夫婦共倒れ寸前までガタガタになった。一方で、妻の孤独感は紛れたので精神的には持ち直したようである。この期間はどうしても必要だったように思う。

ただ、このままだとまずは体力がヤバいので、ほどなくして妻に長く寝てもらうこととし、器用に寝起きができる私が仮眠しながら世話することとなった。

この「妻に長く寝てもらう」が次なる問題を引き起こすことになる。「乳頭混乱」である。

乳頭混乱?赤ちゃんがおっぱいを吸ってくれない(生後3週目後半)

一般的に、おっぱいよりも哺乳瓶の乳首のほうが赤ちゃんにとって吸いやすいようである。労せずしてドバドバとミルクを飲めるのである。

乳頭混乱とは、つまり吸いやすい哺乳瓶に慣れてしまい母乳を吸うのを嫌がるようになってしまうことである。このため、混合栄養育児では赤ちゃんが乳頭混乱を起こすことがある。立て続けにミルクだけを与えたときなどに発症しやすい。混合栄養育児をやっていても発症する子はするし、しない子はしない。本人のクセとかにもよるのである。

妻に長く寝てもらっている間、立て続けに私がミルクを授乳するなどしたところ、娘がおっぱいをあまり吸ってくれなくなってしまった。

吸うにしても吸いが浅く、上手にラッチオンできないまま吸うので乳首がめちゃくちゃ痛い。血が出るほど痛い。上手に吸えないので娘も泣き喚く。母にとって大変な負担になってしまったようだ。また、今まで吸ってくれていたおっぱいを吸ってくれないことも辛いものがあるようである。

妻はできれば完全母乳育児に近い形を望んでいる。母乳は赤ちゃんにとって最善の栄養とされている。ミルクのコストも掛からない。聞くところによれば、赤ちゃんとお出かけできるようになったときの荷物を減らせるので楽なんだとか。

おっぱいを十分に産生できるようになるには赤ちゃんに頻繁にたくさん吸ってもらうしかない。乳頭混乱でおっぱいを吸ってくれないとなると完全母乳育児からは遠ざかってしまうのである。

乳頭混乱を改善するには、哺乳瓶を極力避け、おっぱいを続けて吸ってもらって口の感覚を矯正してもらう必要がある。一方、母乳ばかりを授乳するということは、夜中にも妻が起きなくてはならないということでもあるので、睡眠不足と隣り合わせの行為である。

このまま母乳育児を諦めるかとも話し合ったが、妻には未練があったようである。いや、まだやれるのではと、さらに私からシフト改善案を提案した。

成功シフトその1: 24時間育児シフト 完全母乳育児・犬あり版

生後4週目から下表のとおりのシフトで動き始めた。これはうまくいった。

  • 3食一緒に食べることを諦め、宵の時間に睡眠時間を作る。
  • 深夜帯が精神的に辛いので、これを妻ワンオペにせず夫ワンオペに設定する。宵の時間は半ば妻の余暇時間にしてもらう。
  • 1日に2回、犬の散歩に行けるようにする。
  • 妻は睡眠中に授乳のためだけに夜中起きてもらうので、これを差し引いても妻が7時間半寝られるようにする。
  • 夜中の授乳は妻に半分寝ながらやってもらう。終わったら、ゲップ出し〜寝かしつけまでは夫が行う。妻はすぐに寝る。
  • 妻が寝ているうちに、夫が家事をあらかた片付ける。

これがすぐに効果を発揮した。夫婦ともに睡眠不足から脱することができ精神的にも持ち直した。とくに妻の回復が凄まじかった。1週間程度で心も体もケロリと回復したようである。睡眠マジ大事。

細切れ睡眠はしんどくないかと訪ねたが、寝ながら乳をやってるし7時間半も寝れば回復できるとのことである。

そうこうしているうちに1ヶ月検診を迎えた。娘は1週間ほどの完全母乳生活で乳頭混乱を克服したようである。また、妻も産褥から復帰し、家事や散歩をしても大丈夫になった。

こうなってくると妻も朝から早起きして有意義に過ごしたいようで、深夜帯のうち1回をミルクにするほか、朝食や犬の散歩の時間帯など細かな部分を修正のうえ、冒頭で紹介した「成功シフトその2」に移行することとなった。

現在、1ヶ月ちょっとを過ぎ、上手に生活を回すことができている。

試行錯誤を振り返って

もっと上手にやれたはず、と思うことは山程あるが考えても仕方がない。シフト成功例についても最初からやっていたとて魔の3週目に対応できたかどうかもわからない。例えば私が病んだかもしれない。

1つ確かな実りがあったとすれば、夫婦で相談することを怠らずちゃんと試行錯誤ができたということである。夫婦になってから子が生まれるまで2人で5年過ごしたが、この5年はやはり無駄ではなかったなと思っている。

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